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2023.06.25.

まっちゃん部長日記 part10

松瀬部長のコラム「まっちゃん部長日記」part10を更新しました。

ぜひご覧ください。

 

まっちゃん部長日記⑩2023年6月25

『努力と汗の結晶。次の100年へ継続ー立教大ラグビー部創部百周年』

《スポナビより転載》

 

 スポーツは歴史である。とくにラグビーは仲間づくりでもある。立教大学ラグビー部の創部100周年記念祝賀会が6月24日、都内のホテルで開かれた。日本ラグビー協会関係者ほか、早大、慶大、明大、東大、帝京大、筑波大、法大、日体大ラグビー部などのOB会役員も参列し、脈々と続く立大ラグビー部の営みを祝った。

 祝賀会の冒頭、同部のOB・OGクラブの大原俊一会長はこう、あいさつした。

 「この100年間、幾多のOG、OBによって、部の歴史は脈々と受け継がれて参りました。それは、その時代時代、ラグビー部に関わった人々の営々たる努力の集積であり、流した汗の結晶であると思います。(中略)。いま大切な事は、この歴史を次の100年に向けて継続し、伝統として発展させることであります」

 

 ◆国内7番目の創部。はじめに情熱ありき

 

 ラグビーの起源は、ロンドン郊外のラグビー校でエリス少年がボールを持って走った1823年とされている。その100年後の1923(大正12)年秋、立大ラグビー部が誕生した。日本の大学ラグビーでは、ルーツ校の慶大(1899年)、同志社大(1911年)、早大(1917年)、東大(1921年)、京大(1922年)、明大(1923年)に次ぎ、7番目だった。

 1923年といえば、9月に関東大震災が起きた大変な年である。でも立大ラグビー部創部に携わった学生たちには、火のごときラグビーへの情熱があったのだろう。

 実は、1923年の春には明大も創部されている。明大OBで、日本ラグビー協会の森重隆名誉会長は祝辞で「来月、明治大学も(創部100周年祝賀会が)ありますので、ひとつよろしく、お願い致します」と言って笑いを誘った。

 「今日は本当におめでとうございます。慶大のあと、大学ラグビー部が次々と産声を上げ、立大は7番目に創部された。ラグビーでは、他のスポーツのようにプロ化、興行化、技術向上が進む中、ルールを超えたフェア精神、レフリーへの尊重、交流を尊ぶノーサイド精神など、とても誇らしく思っています。この100年を振り返る時、僕らの昭和の時代は、死ぬ気でやれとか、指導者に言われ、僕らはみんな血走った目をしてプレーをしていました。でも、鬼のような指導者も本当に熱い心の持ち主ばかりでした。時代は変われど、ラグビー魂とか、仲間とか、思いやりとか、ラグビーの芯のところは、これまでの100年も、これからの100年も、ずっと変わらないものだと、僕は思います」

 

 ◆精神的支柱「立教ラグビー宣言」

 

 ラグビー精神でいえば、立大には『立教ラグビー宣言』なる精神的支柱がある。2005年9月につくられた。

 

<1.ルールの有無に関わらず、常にフェアの精神で、自ら律してプレーします。

 2.レフェリーの存在意義を正しく理解し、心から尊重します。

 3.ノーサイドの精神を尊び、相手チームに心から敬意を表します。

 4.アフターマッチファンクションは、その趣旨に則り、相手チームと積極的に交流します。

 5.ホームゲームでは、必ずアフターマッチ委ファンクション開催を提案します。

 6.生涯、これからの精神を遵守します。>

 

 立大もまた、浮き沈みはあった。戦後の復興を経て、グラウンドの移転問題、入試制度の変更に伴う部員数の減少などで雌伏の時も。1997年に関東大学ラグビー対抗戦グループがA(一部)B(二部)のグループに分かれると、立大はBグループに甘んじた。

 立大は2000年度、「現役強化プロジェクト」を発足させ、2002年度、念願のAグループ昇格を果たした。以後、入れ替え戦出場からグループの昇降格を繰り返し、2020年度、Aグループに5年ぶりに復帰した。昨年度は、Aグループで日体大、青学大を破り、初の同グループ2勝を挙げた。目下、全国大学選手権初出場をめざし、チームとOB会一体となって強化と人づくりに励んでいる。

 

 ◆他校との切磋琢磨、絆を励みに

 

 他校との切磋琢磨を通して人との絆が紡がれていくのだろう。祝賀会には数百人の人々が集った。日体大ラグビー部OB会の村中宏行幹事はしみじみと漏らした。Bグループに転落した日体大はことし、創部90周年。

「これだけの人々が集まっています。100周年を迎える大学はすごいですね。10年の差はかなりあります。とても励みになります。まずは今年、Aグループに上がらないといけません」

余談をいえば、祝賀会の記念品には菓子パンの『銀座木村屋總本店』の小さな“あんぱん”の5個入り箱も入っていた。同社の5代目社長は、立大ラグビー部OBで監督も務められた故・木村栄一氏である。立大の歴史に思いをはせつつ、ひと口食せば、100年の汗の結晶を思わせる甘じょっぱい塩味がしたのだった。

 

《スポナビより転載》

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